このページでは、産業用ロボットの操作に必要な資格や作業員が受けなければならない特別教育などについて解説しています。また、資格が必要になるケースと不要なケースについてもまとめていますので参考にしてください。
産業用ロボットの資格・特別教育とは、文字通り産業用ロボットを運用・操作していく上で作業担当者が取得しておかなければならない専門資格や、事前に受講・修了しておくべき教育カリキュラムです。正確には「産業用ロボットの教示等の業務に係る特別教育」と呼ばれており、産業用ロボットの操作員は労働安全衛生法によって「特別教育を受けて資格を取得しておく」ことが必要となっています。
産業用ロボットは便利なシステムですが、自動的にロボットが動くため、操作を誤れば周辺の作業員の労災事故リスクを増大させる点が重要です。そのため、作業環境の健全化だけでなく、作業員を守る上でもきちんとした資格取得を守らなければなりません。
ただし産業用ロボットの条件によって資格取得が不要になるケースもあります。
原則として、特別教育を受けるべき対象は産業用ロボットの利用に関与する作業員の全員となっています。ただし、一部の産業用ロボットに関しては特別教育の対象外になることもポイントです。
対象外になる産業用ロボットの条件は、人との作業を前提とした「協働ロボット」であり、「出力80W未満のロボット」になります。
産業用ロボットには様々な種類や製品があり、場合によってはクライアントのニーズに合わせてオーダーメイドされていることも少なくありません。そのため、産業用ロボットの導入に際しては「出力80W」を基準として検討するようにしてください。
産業用ロボットの特別教育は労働安全衛生法によって定められているものであり、当然ながら特別教育の内容も法的に規定されている要件にもとづいていなければなりません。
ここでは特別教育の内容を「教示」と「検査」ごとにまとめていますので、適切に把握した上で従業員への教育体制を整備するようにしていきましょう。
教示とはティーチングとも呼ばれる作業であり、産業用ロボットへ作業に必要な条件などを設定して記憶させる作業を指します。産業用ロボットを的確に利用するためには絶対的にティーチングが必要であり、ティーチング作業を担当する作業員は教示等の業務について特別教育を受講していなければなりません。
ティーチングが不十分であった場合、産業用ロボットが理想通りに動作せずワークや生産ラインのトラブルの発生リスクを高めるだけでなく、周囲の作業員にロボットアームが衝突するといった災害事故の発生要因にもつながります。
「検査等の業務に係る特別教育」は、産業用ロボットの点検や調整、修理といった作業に必要な特別教育であり資格です。
産業用ロボットの性能を常に安定させるためには、産業用ロボットの状態が常に適正であると確証できていなければなりません。
産業用ロボットは便利で高性能な機械でありシステムですが、だからこそ適切なメンテナンスを行わなければ状態が悪化して不具合が生じるリスクも高まります。また産業用ロボットの点検は動作を継続させた状態で行うこともあり、きちんとしたノウハウを取得していなければ点検中の事故リスクも増大してしまうでしょう。
産業用ロボットの特別教育に関しては、開催・受講できる場所が一定の範囲で決められています。
まず、全国各地にある労働基準協会連合や中央労働災害防止協会といった団体が主催する講座にて受講が可能。またロボットSIerやロボットメーカーの中には特別教育を主催している場合もあり、使用ロボットの導入をそれらの企業へ依頼している場合は企業開催の特別教育を受講するといった方法もあるでしょう。
なお、民間企業の特別教育を受講する場合、受講日や受講場所だけでなく、受講の科目や時間が法的要件を満たしているかあらかじめ確認しておくことが必要です。
「ロボット・セーフティアセッサ資格」とは、一般社団法人セーフティグローバル推進機構が実施している資格(3段階)であり、産業用機械及び産業用ロボットの設計や安全性評価の専門性を客観的に認証する資格です。
ロボット・セーフティアセッサ資格は産業用ロボットを使った作業でなく、あくまでも設計や評価に関連した資格であり、また法的に有効な国家資格ではありません。そのため、ロボット・セーフティアセッサ資格を取得したからといって特別教育の受講義務は免責されませんが、一層に産業用ロボットの知識を取得していることの指標として活用できます。
産業用ロボットは便利で様々なメリットを期待できる産業用機械ですが、一方で適切な運用や操作を行えなければ作業員とロボットアームの衝突事故が発生したり、ワークが破損されて不具合品が量産されたりといったトラブルにつながりかねません。
そのため、産業用ロボットの運用については法的に特別教育の受講と資格取得が義務づけられており、産業用ロボットの導入を考える際には同時に作業員の特別教育に関しても準備しておくことが大切です。
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