産業ロボットの一種に分類される「組立ロボット」について、その特徴や導入におけるメリット・デメリットを紹介。組立ロボットを扱うメーカーやSIer(システムインテグレーター)もまとめています。組立ロボットの導入を考えている人や生産性の向上を検討している企業は、ぜひ参考にしてみてください。
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組立ロボットとは、その名の通り製品の組み立ての際に役立つロボットのことです。自動車産業においては、車体組み立てだけでなく電子機器などの細かい作業も担っています。自動車産業に限らず、建築資材や工場設備といったさまざまな分野で活躍しているのが特徴的です。
求められる運動ごとに構造が異なり、垂直多関節ロボット、直行ロボット、パラレルリンクロボットなどを組み合わせることで難しい作業にも対応できるようにしています。
組み立て作業は極めて単調なもののため、ヒューマンエラーを起こしやすい傾向にあります。実際に、生産現場で起こる製品の不良は、人的ミスが原因であることがほとんどです。
一方で、組立ロボットは単調な作業が得意なため、導入することで作業品質ならびに製品品質の安定化を図れます。力覚センサーを使用すれば、ワークごとに微調整を加えた作業も可能。また、画像処理を併用すれば、品質管理もしやすくなります。
24時間稼働している工場などでは、睡魔との闘いが必要となる夜間に生産性が低くなりやすいです。もちろん、これはあくまでもマンパワーを利用した作業に限られます。なぜなら、ロボットはいつ何時でも作業スピードが一定で、生産効率が変わらないからです。
組立ロボットに画像検査装置を取り付ければ、品種識別やティーチングなどの自動化も叶います。多くの作業をロボットに任せられるため、作業効率が飛躍的に向上すること間違いありません。
人間に代わってロボットがほとんどの作業を担当するため、組立ロボットは工場の無人化や少人数化にも一役買ってくれます。また、長時間の単純な作業は組立ロボットに任せることで、ロボットには任せられない臨機応変な対応が必要な業務や重要な作業に多くのスタッフを配置できるのも嬉しいポイントです。
組立ロボットを上手に使用することで、運用コストの削減とともに労働力の確保にも活用できるでしょう。
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研磨機の製造を手掛けるA社では、人手を増やすことなく製品のラインナップを拡充したいと考えており、箱の組み立て作業とねじ締め作業にロボットを導入。プログラミングが簡単で、限られたスペースでも設置・稼働できるという点が導入の決め手だったそうです。
また、障害物検知センサーが内蔵されたロボットを使うことで、安全柵を取り付けることなくロボットと従業員の協働を実現。これにより、生産効率のおおよそ30%向上に成功しています。
自動車駆動系部を提供するB社では、熟練作業者の高齢化による人員不足の改善という課題を抱えていました。また、専用機の導入も検討していたものの、従来の専用機では職人の技術を再現するのが難しいうえ、安全性が低いのが懸念点に。
そこで、それらの課題の解決が見込める組立ロボットを採用。組立工程でロボットに作業者の手の感覚をインプットしたことで、高品質な製品の安定供給ができるようになりました。さらに、ゾーンセンサーも設置し、安全性の高い作業スペースの確保にも成功しました。
塗装機器・設備を提供するC社では、品質のバラつきや熟練者業者の確保、生産性の低さをきっかけに組立ロボットを導入しています。ワークごとに塗料の使用量が変わるため、多関節ロボット2台、1軸ロボット2台、XYロボット1台、画像測定器1台でロボットシステムを構築。組立作業だけでなく組立前の部品検査や品質検査、完成品の収納作業といった一連の作業が自動化したため生産性と品質が向上したうえ、製造工程全体の見直しのきっかけにもなったそうです。
ロボットを使った電子部品や気か部品の組み立てには、高度な技術と高い精度が必要となります。川崎重工の手掛ける組立ロボットは、繰り返し精度が非常に高いのが特徴です。それに加え、3D検査機による位置補正や協調制御技術を駆使した複数ロボットによる組立なども実現。革新的なソフトウェアやハードウェアにより、複雑な作業のオートメーション化に成功しています。
なお、組み立てに使用するロボットは、小・中型汎用ロボット、大型汎用ロボット、共存ロボット、ピッキングロボットの4種類です。
川崎重工(Kawasaki)の
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1915年に創立した安川電機は、小型ロボットや独自開発の双腕ロボットを提供することで、作業員に代わって人を超える生産性の実現をサポートしています。「購入前に製品の詳しい説明を聞きたい」「企業課題を解決できるか検討したい」という場合でも安心できるよう、オンライン相談やショールームの設置をしているのもポイントです。
また、組立ロボットの導入時には、セットアップやティーチングなども実施。故障復旧サポートも充実しているので、導入後も頼れるパートナーとなってくれること間違いありません。
お客様ごとの作業の違いを重視しているKUKAでは、従来型の組み立てのみならず、「これからの工業組立」を見据えた自動化テクノロジーを提供。KUKAの手掛ける工業用組立ロボットを使えば、品質や生産性の向上はもちろん、安全性の確保や経費節約なども叶うでしょう。
また、KUKAの開発した「KR SCARAロボット」は、ほとんどすべての用途にフィット。さまざまな周機器や5~40℃といった幅広い温度にも対応可能なため、多様な作業環境で活躍してくれるでしょう。
ファナックでは、用途に合わせた5種類の組立ロボットを用意。対応制御装置や入力電源設備容量、設置形式などの異なる製品を揃えているため、作業環境やワークに沿った組立ロボットの採用が期待できます。
また、すべてのロボットがコンパクトで重量も軽く、高速動作が可能です。作業員とともに業務を遂行できるので、人手不足の解消や生産効率化に一役買ってくれるでしょう。お客様の希望によっては、ビジョン機能やゼロダウンタイム機能などを付けることもできます。
2022年4月に、中型組立ロボット「COBOTTA PRO(コボッタプロ)」を発売したデンソーウェーブ。最大TCP速度は1分間で約2,500mm、繰り返し精度はプラスマイナス0.04㎜という高速性と高精度が特徴です。周りに人がいない場合はフルパワーで稼働し、人が近付いた際には減速・停止をするため、生産性と安全性を両立できます。
また、直感的に操れるティーチング機能や、簡単にプログラミングができる利便性も魅力。「扱いに慣れるまで時間がかかった…」などのリスクを回避できるでしょう。
トライエンジニアリングは1991年にヘミング形状加工用ロボットの開発を成功させ、幅広い業界へのロボット導入支援やカウンセリングサービスなどを提供しているロボットSIerです。クライアントの生産性向上や事業効率化を根本からサポートできるようロボット開発やシステム設計を行っており、作業環境のシステム化やオートメーション化を叶えられる周辺装置や専用治具といった、各種製品の自社開発までワンストップサービスで取り扱っています。
インフィニティソリューションズはドイツにある世界的ロボットメーカー「KUKA」と提携しており、その時代における次世代ロボットシステムの設計・開発に取り組んでいるロボットSIerです。ロボット本体や周辺設備の製造を進めるだけでなく、システム面においてもクライアントのニーズへ寄り添えるよう開発に力を入れています。日本国内だけでなく、中国に複数の事業拠点を展開するなど、世界規模のロボット導入サポートサービスを提供しています。
KADOは兵庫県にあるロボットSIerであり、2000年の設立以来、20年以上にわたってKUKAなどのロボット導入を支援してきました。また、創立以来の取り組みとして繊維強化プラスチック(FRP)に関する研究開発も進めており、生産工程のワークや条件、作業内容などを複合的に考えながら生産環境のシステム化やオートメーション化を支援しています。
その他、JAXAへ製品を提供するなど、航空宇宙産業にも携わっていることが特徴です。
アイテックでは「搬送」や「組立」、「検査」といった産業分野の各種作業工程を分類し、さらに全ての作業を自動化して事業全体の効率化や業務化以前をサポートしているロボットSIerです。取り扱っているロボットメーカーも複数が紹介されており、クライアントの予算やロボット導入の目的、時代のトレンドなどを複合的に考慮しながら適切なロボットの紹介を行っています。なお、精密作業や汚染対策に配慮してグローバルスタンダードのクリーン環境を実現しています。
クライアントの心情へ寄り添って、本当の意味で価値のあるロボット導入支援を行えるようにと、日本サポートシステムでは現場を確認しながらクライアントのニーズをヒアリングします。プラントシミュレーションやプロレスシミュレーションにも対応しており、ロボット導入後のメンテナンスといったサポートにも柔軟に応じてくれることが強みです。
取り扱いロボットメーカーも様々なものが挙げられており、製品の比較検討にも適しています。
ウエノテクニカは1956年に創業されたロボットSIerです。自動車業界を中心としながら、組立設備の提案や各種自動化装置の開発・提供などを事業として取り扱っています。また、システムの企画段階からクライアントへのアドバイスやコンサルティングを行っており、IoT技術やAI技術を活用した完全自動化などのニーズへも柔軟に対応できることが強みです。
自社開発したシステムやロボットも展開されており、専門人材の育成にも取り組んでいます。
産業機械や産業ロボットの総合コンサルティング企業として、日本のものづくり業界を根底からサポートしているロボットSIerです。取り扱いロボットメーカーも複数企業を用意しており、さらにクライアントのニーズに則って周辺設備や専用装備などの開発も行っています。
生産工程の省人化や省力化、低コスト化といった目的に合わせてプランニングを担当してくれる他、産業用ロボットの導入や運用についてトータルの支援を提供しています。
近年、製造業や物流業界では、自動化・省人化のニーズが高まり、ロボットシステムインテグレーター(ロボットSIer)の役割がますます重要になっています。しかし、「どのロボットSIerを選べばよいのか?」「自社に適した導入方法は?」と悩む企業も多いのではないでしょうか。本サイトでは、おすすめのロボットSIer企業3社をご紹介します。自動化を検討中の企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
用途に合わせたロボットを提案し、初期設定済みのパッケージとして納品。PC操作が苦手でも直感的に扱える設計で、初心者でも安心して導入できます。
専門知識がなくても、直感的に操作可能。ロボット形状の設計や操作支援など、現場レベルに合わせてスタッフが段階ごとにサポート。ロボットを使った自動化をスムーズに始められます。
大規模な事前検証設備を活用し、本番環境と同じ条件でフルラインの試運転が可能。導入前に潜在的なトラブルを発見・解決。現場での予期せぬ停止を防ぐ。
生産を止めることなく、即座に本稼働へ移行できる「垂直立ち上げ」を実現。事前の試運転で初日から安定生産が可能。余分な作り貯めが不要で在庫負担のリスクを回避。
リアルタイムのデータ収集システムが在庫状況・作業効率を分析し、AIが適切な倉庫レイアウトを導出。ムダな移動を削減し、作業時間を短縮。物流の生産性向上を実現。
センサーで周囲を認識しながら自律移動するため、レイアウト変更が多い現場にも対応。人手不足の解消や深夜稼働の最適化を支援し、24時間ノンストップで稼働。配送スピードの加速を実現。