このページでは、ロボットSIerへロボットシステム導入やシステム構築を依頼する際の流れについて、一例をまとめました。実際にはロボットの内容や環境などによって様々なケースが存在しますが、まずは基本的なパターンとしてご確認ください。
そもそもどうしてロボットシステムを導入したり、生産現場のシステム化を進めたりしたいのか、ニーズやメリット、予算規模などを事前に検討しなければなりません。
適切かつ有益な設備導入は生産効率を向上させられる反面、相応のコストが発生するため、設備投資としての価値やイニシャルコストの回収期間なども合わせて考えます。
自社にとってのニーズやロボットシステム導入の目的などを把握できれば、改めて具体的にどのようなシステムの構築や導入が必要か構想段階に入ります。
現状の課題や問題を明確化した上で原因について考えし、それらを解決できるロボットやシステムとはどのようなものであるのか全体的な構想も重要です。
構想が固まれば具体的なスケジュールなどの実施計画もプランニングします。
実施計画を作成した後は、実際の導入までにかかる達成手段や実現までのルート、必要な項目などを「要求仕様」としてまとめて定義づけします。
仕様定義書の作成やシステムフロー図の作成、またプロジェクト計画書といった資料がまとめられるのもこの段階です。
全体的な信頼性や利便性、導入後の保守性やトラブル発生時の復旧性なども考慮しておきましょう。
要求仕様に合わせて必要なロボットシステムや周辺機器などを設計します。
全体的なレイアウトをまとめた基本的な設計から、さらに詳細な部位まで正確に設計する詳細設計まで、段階に応じて作業レベルを調整することが重要です。
また、リスクアセスメントを実施して、安全性の確保や残留リスクについても検討しておきます。
ロボット製品やシステムの設計が完了すれば実際の製造に移ります。ただし、製造前に事前シミュレーションを行って動作状況などを把握するだけでなく、実機が完成してからも出荷・納品前に必ず品質検証・動作テストを行ってもらうようにしてください。
テストを行って不備やエラーが発見された場合、直ちにその原因や改善について検討します。
出荷前テストや内部テストをクリアしたからといって、納品後に問題が発生しないとは限りません。
事前テストや出荷前テストをパスした製品は、改めて生産ラインへ組み込んだ際に正常稼働するか総合テストへ移ります。また、実際にクライアントの作業現場へシステムを導入し、ユーザーテストで状態を管理することも大切です。
導入に向けたテストで全てクリアになれば、ロボットシステムを活用した生産ラインを本稼動させます。また、導入したシステムの品質や機能を良好な状態へ維持できるよう、定期的なメンテナンス・保守点検で品質を保つことも不可欠です。
ロボットシステムとAIシステムのどちらのシステムも構築している日本唯一(2024年6月調査時点)の企業。産業ロボットとAI技術を組み合わせて工場全体の自動化と可視化を提案。