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産業用ロボットの点検・メンテナンス

このページでは、産業用ロボットシステムの点検やメンテナンスについて、各作業の必要性や点検・メンテナンスの方法など多角的に解説していますので、産業用ロボットの導入をプランニングする参考としてご活用ください。

点検・メンテナンスの義務について

製造業や加工業などものづくりの現場において活用される産業用ロボットに関しては、労働安全衛生法によって事業者に対して作業開始前の点検や定期検査といったメンテナンスが義務づけられています。また、点検や検査を行った際に以上や不具合が発見された場合、適切な補修を行ったうえで作業記録を3年間以上保存しなければならないこともポイントです。

点検・メンテナンスが必要な理由

作業者の安全を守るため

産業用ロボットやロボットシステムについて、定期的な点検や適切なメンテナンスを必要とする理由としてはまず「作業員や従業員にとって安心安全な作業環境を守る」という目的が挙げられます。

産業用ロボットシステムは産業用機械であり、適正な維持作業を続けていかなければ思いがけない不具合や予期せぬトラブルに発展してしまう恐れもあります。

ロボットの寿命を延ばすため

機械には一般的に耐用年数や保証年数が設定されていますが、それらの数字はあくまでも適切な点検やメンテナンスを継続的に行っているからこそ想定されている数値です。

ロボットも人間と同様に、使い続けていくことで各所が劣化したり、交換用の部品が摩耗したりしてきます。定期的な点検で各所をチェックすることにより、問題が悪化する前に対処してロボットの寿命を延ばせます。

故障の要因をいち早く検知するため

産業用ロボットは機械製品であるからこそ、突発的な故障やエラーが生じることもあるでしょう。そのような際、定期的な点検やメンテナンスを行って作業記録を残しておくことで、異常発生前の状況をチェックしたり異常発生の前後の様子を比較検討したりすることが容易になります。

これにより故障の要因を分析して、再発防止へつなげていくことが可能です。

産業用ロボットの点検・メンテナンスの種類

日常点検・作業前点検

産業用ロボットを運用していくうえで、日常的な点検やロボットを使用して作業する前の点検は重要です。

日常点検では機器の操作や作業後の製品の品質などに問題がないかチェックするだけでなく、摩耗するパーツの状態や部品の経年劣化の有無といった項目についても合わせて確認するようにします。

なお、点検作業をマニュアル化することで効率的に進められるでしょう。

定期点検

一定期間ごとにシステムを全停止させて詳しい点検やメンテナンスを行います。なお、定期点検は社内のスタッフや従業員だけが行うのでなく、ロボットのメーカーや専門業者などが一緒に立ち会って詳細な作業を行わなければなりません。

専門業者としてはロボットメーカーの他にもメンテナンスの専門会社やロボットシステムインテグレーターなどが挙げられます。

定期点検の主な内容

産業用ロボットの定期点検では、そもそも導入しているロボットの種類や作業内容によっても詳細が異なります。ただし、どのような産業用ロボットであっても汎用的に行われる点検項目もあり、まずは基本的な部分を把握しておきましょう。

産業用ロボットの定期点検の内容としては、消耗品や部品の交換の他、システムを分解して注油や清掃、チェックを行うオーバーホールなどがあります。

修理・故障対応

日常的に、あるいは定期的に行う点検やメンテナンスといった作業の他にも、突発的に発生した修理や故障に対する作業も考えなければなりません。

修理・修繕には部品の交換だけで済むケースから、専門業者が時間をかけて行わなければならないものまで様々であり、まず故障内容や修理カ所を分析して詳しく検討することが大切です。

なお、状況によっては生産ラインを停止させなければならない場合もあるでしょう。

産業用ロボットの定期点検にかかる費用

産業用ロボットの定期点検には色々な点検項目や作業が発生し、それぞれの内容によっては費用の支払いが生じることもあります。ここでは一般的な費用についてまとめました。

定期点検の基本料

専門業者やロボットメーカーなどに定期点検を行ってもらう際、まず基本料が必要となります。ただしアフターサポートなど有償サービスやオプションの一環として定期点検を行ってもらえることもあります。

部品交換にかかる費用(部品代+サービス料金)

修理や交換が必要な部分については、部品交換や修繕に対する費用が必要です。なお、部品交換にかかる費用は部品や消耗品の実費に加えて、各種作業を行うためのサービス料が発生します。

なお、サービス料に関しては基本料に含まれている場合もあるため、最初に契約内容を詳しく確認しておくようにしてください。

産業用ロボットのよくある故障例

サーボモーターの不具合

サーボモーターとは、ロボットの動作を制御する機構(サーボ)を動かすためのモーターです。産業用ロボットにおいてサーボモーターは重要な構成部品であると同時に、種類によっては常に高負荷がかかってしまう部分です。そのため、サーボモーターに関する故障や不具合は発生しやすいトラブルの1つとして考えることができます。

サーボモーターの故障が連続する場合、そもそもロボットの使用方法を検討することが必要です。

ケーブルの断線

産業用ロボットには電源ケーブルや通信ケーブル、その他周囲の機器と有線接続するための各種ケーブルが使用されています。これらのケーブルが何らかの理由によって断線してしまうと、当然ながら接続が断たれてしまい正常な動作を期待することはできません。

ケーブルについては定期点検などでしっかりと確認するだけでなく、余計な負荷がかかっていないか日常的にチェックしておきましょう。

マニピュレーター(グリース)の劣化

ロボットの関節部分やマニピュレータはグリース(潤滑油)を利用して滑らかな動作が行われるように工夫されていますが、これらのグリースが切れたり経年劣化によって固着してしまったりすると、関節の稼働にストレスがかかって故障やトラブルに発展してしまいます。

適切な注油作業を定期的に行うだけでなく、古くなったグリースはきちんと除去することが大切です。

点検・メンテナンスに関するまとめ

産業用ロボットを導入してからも、定期的な点検やメンテナンスをきちんと継続していかなければ、ロボットの故障リスクが増大してトラブルの発生率が高まります。また、不具合が発生するとロボットの作業品質が低下してしまうことも問題です。

産業用ロボットの点検やメンテナンスは従業員の安全や作業の品質を適正化するために欠かせない項目といえるでしょう。

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参照元:
*1 トライエンジニアリング公式サイト https://trieg.co.jp/
*2 インフィニティソリューションズ公式サイト https://www.infinitysolutions.co.jp/faq/
*3 KADO公式サイト http://www.kado-corporation.com/