産業ロボットの仲間である「搬送ロボット」は、製造した部品や製品の搬送をメインに行うマシンです。このページは、そんな搬送ロボットを導入するメリットや代表的なメーカーをまとめています。
導入することによるデメリットもきちんと紹介しているため、「作業環境に適しているか」「導入することで本当に作業効率が上がるだろうか」などの参考にしてみてください。
搬送ロボットとは、その名の通り部品や製品を運ぶために用いられる機会を指します。産業ロボットの一種に分類されており、組立・加工機械の間に設置するのが一般的です。これにより、工程間切り替えのオートメーション化ができるようになるでしょう。
なお、搬送ロボットにはありとあらゆる種類が存在。具体的に、単純用途であればスライダー、工場内を自由に移動する自律ロボット、EMS用途で使用されるスカラロボットなどが挙げられます。
搬入・ピッキングといった手間のかかる作業を搬送ロボットに任せれば、業務の効率化や省人化に繋がります。なぜなら、搬送ロボットは人間と異なり、疲労による処理速度の低下やミスの増加がないからです。製品の場所をデータとして登録しておけば、人よりも早く製品の場所を特定できるのも魅力的でしょう。
また、搬送業務を作業員に任せる場合も、搬送ロボットを利用すれば体力的な負担の軽減ができます。
ロボットは単純・複雑といったレベルに関係なく、どんな作業も確実にこなします。一方、人力による作業は、確認漏れや集中力の低下などが原因で、ミスを起こす可能性があるでしょう。また、人による作業には監視やダブルチェックが欠かせないので、ミスを防ぐためにはそれなりの人手を必要とします。搬送ロボットは、ヒューマンエラーを最小限に抑え、安定した品質を保つのに役立つこと間違いありません。
作業員の安全確保ができるのも、搬送ロボットの良いところです。周囲の環境をセンサーで確認できるシステムが搭載されたロボットであれば、重量の大きい荷物の移動や粉砕機への投入作業といった危険と隣り合わせの作業を任せられます。
大きな事故や労災リスクの抑制だけでなく、属人化しやすい作業も搬送ロボットを使うことで、作業員の身体的負担の軽減が可能です。このように、搬送ロボットの導入は、業務における安全体制の強化にも一役買ってくれます。
搬送ロボットの導入には大規模な機械を入れるため、イニシャルコストが高くなることを念頭に置いておかなければなりません。その他にも、導入後にはメンテナンス費用が継続的に発生するでしょう。また、経年劣化や思わぬトラブルによってロボットが使えなくなれば、初期費用と同等程度のお金がかってしまいます。
さらに、搬送ロボットは導入後すぐに使えるわけではなく、業務を行うための環境構築が必要です。システムの構築にはそれなりの時間がかかるため、余裕を持って導入作業を行いましょう。導入後も業務フローなどの変更があれば、その都度ロボットのシステム変更が必要となるので、専門知識を持った人材の確保も欠かせません。
このメディアでは、製造業向けのロボットSIer会社を特集しています。TOPページでは自社の環境に合わせて選べるオススメのロボットSIer会社を紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
作業環境の自動化・省人化が進む現代では、あらゆる搬送ロボットが製造・開発されています。どの搬送ロボットを選ぶかも重要ですが、それよりも大切なのは「どの会社のロボットSIerを導入するか」です。
ロボットSIer(システムインテグレータ)は、オートメーションシステムの企画・製作の役割を担当。さまざまな企業がこのシステムを提供しており、活躍の機会はどんどん拡大していくと考えられています。
オンライン通販やECサイトの需要の増大に比例して、物流倉庫でのハンドリングロボットの需要急増に着目。段ボールを積み下ろしといった単純作業に特化したモデルはもちろん、サイズの異なるさまざまな荷物をスピーディーに仕分けられるモデルも開発しています。
特に、複雑な作業が必要となるロボットは、他社との共同開発を実施。CADを利用したソフトウェアで、物の大きさを把握するコントローラテクノロジーを搭載しているため、あらゆる作業環境に適しています。
川崎重工の搬送ロボットは、可搬質量3kgから,500kgまで幅広いラインナップを取り揃えています。小物部品から重量物に至るまでありとあらゆるハンドリングに対応できるうえ動作も早く、生産性の向上を希望する企業にぴったりです。
また、衝突検知やコンベアー同期など、搬送作業の効率化にぴったりなオプションも用意。なお、ハンドリングロボットのラインナップには、小・中型汎用ロボット、大型汎用ロボット、超大型汎用ロボット、共存ロボット、ピッキングロボットなどが挙げられます。
川崎重工(Kawasaki)の
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ファナック(FANUC)では、高速プレス搬送ロボットと大型物流ロボットの2種類を用意。高速プレスロボットは、プレスラインにおけるワーク搬送に特化した製品です。6軸ロボットと2軸搬送ツールのLPTを組み合わせることで、スピーディーな搬送を実現します。
大型搬送ロボットは、用途に合わせて架台型ベースとコンパクトベースの2種類から選択可能。ダンボール箱のパレタイジング作業や袋物のパレタイジングを得意としているため、作業効率の向上に適しているでしょう。
パレタイジング、ハンドリング、シーリング、ガラス基板搬送用ロボット、重量物搬送といった5つのジャンルの搬送ロボットを用意。中でもガラス基板を専門とした搬送ロボットは、最大可搬質量400kgを誇り、第10世代ガラス基板まで対応できます。多関節型のメリットを最大限に生かし、水平搬送に限らず反転などさまざまなシーンで利用可能です。
ハンドリングとシーリングロボットは、合わせて20種類の製品を提供。お客様の要望に合わせて適切な製品を提案しています。
搬送から組立、加工作業にいたるまで、さまざまなシーンで業務をサポートするダイヘンのロボット。搬送ロボットに関しては、コンパクトな5kg可搬タイプから700kgのパワフルな大型ロボットまで、対象となるワークに沿った製品を取り揃えています。
なお、どのロボットも自動ピッキングが可能になる、2Dビジョンセンサ「オフラインティーチングシステムFD-ST」との接続が可能です。ランダムに置かれたワークを瞬時に認識し、スムーズにピッキングを行います。
どんな業界でも通用する搬送ロボットを提供しているデンソーウェーブでは、組込型・工程間搬送ロボットとしてXRシリーズとSCシリーズの2種類を展開。XRシリーズは旋回軸と直動軸の天吊構造を採用しているため、非常にコンパクトなのが特徴です。そのため、作業スペースが限られている場合にも向いているでしょう。
一方、SCシリーズは伸縮構造を採用しており、最大12mの長距離に対応。稼働する距離を自由に変更できるため、コンパクトに使いたい場合にもおすすめです。
使いやすく、安全機能も搭載した協働ロボット一体型システムを提案。作業スペースの位置を自動で補正し、単純作業だけをロボットに任せて作業効率を最大化。
ロボットシステムとAIシステムのどちらのシステムも構築している日本唯一(2024年6月調査時点)の企業。産業ロボットとAI技術を組み合わせて工場全体の自動化と可視化を提案。